静岡県浜松市の方広寺は、鎮守の名により「奥山半僧坊」とも称される、臨済宗方広寺派の大本山です。南北朝時代に後醍醐天皇の皇子・無文元選を開山として創建されたもので、約60ヘクタールの境内には巨大な本堂、三重の塔、半僧坊真殿などの伽藍が営まれ、参道には無数の羅漢像が佇んでいます。
旅行先の地図
旅行先の概要
御本尊 | 釈迦如来 |
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所在地 | 静岡県浜松市北区引佐町奥山1577-1 |
交通 | JR東海道本線「浜松駅」から遠鉄バス(市役所・奥山行き)経由で約70分、「奥山」停留所下車、黒門まで徒歩約5分 新東名高速道路「浜松いなさIC」から車で約10分 |
拝観料 | 大人400円、中学生以下200円、未就学児無料 |
駐車場 | 遠鉄バス「奥山」停留所付近に市営奥山駐車場【車椅子以外の一般車両はこちらを利用】あり。舗装済みで無料。 宴会料理「きじ亭」の上、三重の塔わきにも三重塔駐車場あり。舗装済みで無料。 |
URL | 方広寺 |
連絡先 | 方広寺 053-543-0003 |
歴史・由来
静岡県浜松市にある方広寺は、その鎮守の名によって「奥山半僧坊」とも称される、臨済宗方広寺派の大本山です。
この寺院は、遠江国引佐郡の奥山城に後醍醐天皇の皇子・宗良親王を迎えるなど南朝方の武将として活躍した奥山朝藤が寺地を寄進し、同じく後醍醐天皇の皇子である無文元選(円明大師)を開山として、南北朝時代の建徳2年(1371)に創建されたものです。
開山の無文元選(円明大師)は後醍醐天皇崩御後に建仁寺で出家し、のち中国の元に渡って福州大覚寺に参禅、帰朝後は地方を巡錫して臨済宗の教えを広めていますが、この渡海時に鼻高の異形の人(天狗)が現れて大師を海難から救ったとされ、これが方広寺の鎮守神として崇められる「奥山半僧坊大権現」といわれています。
方広寺は天正15年(1587)に後陽成天皇の勅願所となり、以後も豊臣・徳川両氏の庇護のもとで栄えますが、明治14年(1881)の大火では七尊菩薩堂(応永8年建立、国重要文化財)や半僧坊真殿などの一部の建物を残して灰燼に帰してしまいます。
この大火で焼け残ったことにより、半僧坊大権現は海難避けに加えて火防の神としての信仰がにわかに盛んになったほか、明治36年(1903)には南禅寺派から独立して臨済宗方広寺派の大本山となり、現在に至っています。
約60ヘクタールの境内には、山岡鉄舟の筆になる山号額を掲げる巨大な本堂や三重の塔、半僧坊真殿などが再興または新たに建立されるなどしており、表参道の各所には江戸時代に造立されたという無数の羅漢像が佇んでいます。
また、観応2年(1351)の造像銘がある国重要文化財の木造釈迦如来及び両脇侍像は、同じく明治36年に御本尊として方広寺に迎えられたものですが、もとは常陸国の戦国大名・佐竹氏ゆかりの清音寺(茨城県城里町)で祀られていたもので、水戸藩2代藩主・徳川光圀が修復したとの記録が残されています。
車椅子で旅行するポイント
本堂 開山堂 奥の院 半僧坊真殿 円明閣 大慈閣 上天台舎利殿 七尊菩薩堂 椎河大龍王堂 三重の塔 受付 鳥居 五百羅漢 赤門 黒門 奥山青壮年研修所 門前商店街 奥山公園 きじ亭 山の家 奥山園 奥山門前ポケットパーク 東隠院 奥山バス停 市営奥山駐車場 静岡県道68号浜北三ケ日線 |
移動のしやすさ ★★★★☆
バリアフリーの状況
方広寺は険しい場所にあるものの、境内はある程度車両の通行を前提に整備されている。一般には黒門から境内に入場するが、表参道は車両進入禁止のため、いったん三重の塔方面まで車両で迂回する。ここから受付を経て境内道路の坂道を通って勅使門の正面まで行くことができる。堂内拝観は車椅子のままでは難しいが、諸堂の近くまでであれば車椅子でも移動は可能で、見どころも多い。身障者用トイレは境内の休憩所裏、きじ亭館内、市営奥山駐車場などにある。
周辺の名所・観光スポット
はままつフラワーパーク
浜名湖の湖岸にある植物園で、園内には約3千種、10万本の植物が展示されている。春の夜桜やチューリップ、大温室「クリスタルパレス」の熱帯植物、夏のホタル観賞など、四季を通じて花々やイベントが楽しめる。
【身障者用トイレ・駐車場・スロープ・車椅子貸出・入場料割引(大人半額)あり】
■参考リンク:はままつフラワーパーク