笠森寺は、千葉県長南町の天台寺院です。「四方懸造り」という観音堂は岩山の上に61本の柱を立て床高16メートルの舞台を築いた国内唯一の構造で、国の重要文化財です。坂東三十三観音霊場の一つでもあり、参道には子宝に恵まれる「子授楠」があるほか、境内売店の「黒い招き猫」も人気があります。
旅行先の地図
「観音堂」は75段の階段があり、車椅子乗車のままでの堂上参拝は困難です。詳しくは写真の解説を参照してください。
旅行先の概要
御本尊 | 十一面観世音菩薩 |
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所在地 | 千葉県長生郡長南町笠森302 |
交通 | 首都圏中央連絡自動車道「茂原長南IC」から車で約10分。 JR外房線「茂原駅(南口)」から小湊鉄道バス(牛久駅行)経由で約33分、「笠森」停留所下車、徒歩約5分。 小湊鉄道「上総牛久駅」から小湊鉄道バス(茂原駅南口行)経由で約15分、「笠森」停留所下車、徒歩約5分。 |
拝観料 | 境内無料。ただし、「観音堂」に上る場合【車椅子不可】は大人100円、小人50円。 |
駐車場 | 女坂前に舗装済みの町営無料駐車場(収容台数:50台)、表参道入口に民間の舗装済みの有料駐車場(500円)あり。 |
URL | 笠森観音 |
連絡先 | 笠森寺 0475-46-0536 |
歴史・由来
笠森寺は、千葉県長南町の山中にある天台宗の寺院で、正式名称を「大悲山笠森寺」といい、「四方懸造り」という建築様式の観音堂で知られる、坂東三十三観音霊場の第31番札所です。
寺伝によれば、延暦3年(784)、伝教大師最澄が楠の霊木で十一面観世音菩薩の像を刻んで山上に安置したのがはじまりといい、御本尊の十一面観世音菩薩から「笠森観音」の通称でよばれています。
笠森寺の観音堂は、長元元年(1028)に後一条天皇の勅願により建立されたと伝えられ、その墨書銘から桃山時代に再建されたとみられるもので、岩山の上に61本の柱を立て、その上に床高16メートルの舞台を築くという、国内唯一の「四方懸造り」とよばれる独特な構造となっており、国の重要文化財にも指定されています。
この観音堂は古くからその姿を知られていたらしく、実否不明ながら松尾芭蕉は天和年間(1681-1683)に観音堂に上って「五月雨に 此笠森を さしもぐさ」と詠んだとされており、また二世安藤広重は「諸国名所百景」に観音堂を題材とした浮世絵を残しています。
また、周辺の山々は「県立笠森鶴舞自然公園」に指定され、うち観音山は笠森寺創建当時から伐林を禁じ保護してきたとされる場所で、スダジイなどの暖帯林がよく残り、リスやアカゲラといった鳥獣やヒメハルゼミなどの昆虫の楽園となっており、「笠森寺自然林」として国の天然記念物に指定されています。
笠森寺の参道には、根元の穴をくぐると子宝に恵まれるという御利益で知られる「子授楠」があるほか、境内の土産物店で扱っている「黒い招き猫」は、宝くじの当選や良縁などの御利益があったと評判の開運アイテムとなっています。
車椅子で旅行するポイント
「観音堂」は75段の階段があり、車椅子乗車のままでの堂上参拝は困難です。詳しくは写真の解説を参照してください。
周辺の名所・観光スポット
養老渓谷
養老川上流、房総半島の奥深くに位置する渓谷で、小湊鉄道の養老渓谷駅から粟又の滝(養老の滝)方面に向かって土産物店や温泉旅館が点在しており、晩秋には周囲の山一面に紅葉が見られハイキング客にも人気がある。温泉はヨード分を含んだ「黒湯」とよばれる独特の濁り湯となっている。
【国道465号老川交差点の「養老渓谷やまびこセンター」(直売所)、粟又の滝近くの「町営粟又駐車場」に身障者用トイレあり。「粟又の滝展望台」は可だが「粟又の滝自然遊歩道」は階段につき車椅子不可。】
■参考リンク:養老渓谷観光協会
マザー牧場
鹿野山に位置し、約250ヘクタールの広大な敷地を有する観光牧場。菜の花やコスモスが咲く花畑、動物のショーやふれあい体験、各種クラフト工房、レストラン・カフェなど様々な施設やイベントがあり終日楽しめる。
【身障者用トイレ・駐車場・車椅子貸出あり。路面舗装済で段差はないが場所によっては急傾斜の坂道あり。身障者手帳提示で料金割引あり。】
■参考リンク:マザー牧場