金鑚神社

神社
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金鑚神社(かなさなじんじゃ)は、埼玉県児玉郡神川町にある神社で、延喜式内社、武蔵国五宮とも二宮ともいわれます。日本武尊東征の折りの創建と伝えられ、御室山を神体山として祀るため、本殿はなく拝殿のみというめずらしい神社です。境内にある戦国時代の多宝塔は国重要文化財に指定されています。

旅行先の地図

旅行先の概要

御祭神 【主祭神】天照大神、素戔嗚尊 【配祀神】日本武尊
所在地 埼玉県児玉郡神川町字二ノ宮751
交通 関越自動車道「本庄児玉IC」から車で約20分
拝観料 無料
駐車場 神社境内に舗装された無料駐車場あり
URL
連絡先 金鑚神社 0495-77-4537

歴史・由来

金鑚神社(かなさなじんじゃ)は、埼玉県児玉郡神川町に鎮座し、『延喜式』に「名神大社」として載る古い歴史をもつ神社であり、令制国の武蔵国の五宮、または二宮であったとも称されています。

金鑚神社は、日本武尊が東征の折りに神社後背にある御室山に立ち寄り、倭姫命から天叢雲剣(草薙剣)とともに賜った火打石を御霊代として天照大神と素盞嗚命を祀ったのがはじまりとされており、「金鑚」とは「金砂」、すなわちこの地域で産出する砂鉄の意味であるとみられています。

そのため、神体山である御室山に向かって拝殿はあるものの、本殿は設けられていないというめずらしいつくりで、これは信濃国の諏訪大社(守屋山)、大和国の大神神社(三輪山)と同様に、古い時代の信仰のあり方を伝えるものとされています。

中世に入ると、この地域の武士団「武蔵七党」のひとつで、いまの本庄市を中心に勢力を拡大していた「児玉党」から特に崇敬を受けており、境内には同じく「武蔵七党」のひとつ、「丹党(たんとう)」に属する安保弾正全隆が天文3年(1534)に建立したことが墨書銘からわかる柿葺きの多宝塔が残り、国指定重要文化財となっています。

また、天正19年(1591)には、別当寺の金鑚山一乗院大光普照寺として、徳川家康から朱印地30石を賜わるなどしていますが、明治時代の神仏分離の際、奥の院の「金鑚大明神」が神社として独立して今日の金鑚神社となり、別当寺も存続して元三大師を祀る厄除け祈願の「金鑚元三大師」としてその名を知られ、ともに正月の初詣などでは多くのにぎわいがあります。

車椅子で旅行するポイント

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【1】国道沿いの鳥居を進むと金鑚神社境内の舗装駐車場に出る。併設のトイレは和式で車椅子不可。さらに舗装道路は車お祓い所に続いている。

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【2】金鑚神社多宝塔は駐車場向かいの傾斜地にあるので、特に降車しなくても眺望できる。

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【3】境内道路をそのまま進むと右手に社務所があり、社務所前が車お祓い所の舗装された広いスペースになっている。

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【4】車お祓い所から手水舎、神楽殿、拝殿と進む参道は階段となっているので車椅子は不可。

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【5】階段の右手に対をなす裏参道があるのでこちらを進む。傾斜のある坂道につき注意を要する。

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【6】段差のない裏参道の坂道を進むと神庫の前に出て、ここから拝殿を遠望できる。

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【7】金鑚神社の拝殿前。参道部分は石畳だが、周囲は大粒の玉砂利が敷かれており、無理をすると足元をとられるおそれ。



金鑚神社境内図

移動のしやすさ ★★★☆☆
バリアフリーの状況 金鑚神社は山腹に位置しているため、階段を避けるのであれば、社務所前の車お祓い所まで自動車で乗り付けた上で、裏参道の坂道を登ることになるが、この坂道も傾斜がある上、拝殿周囲の玉砂利で足元をとられるので参拝しやすいとはいえない。境内のトイレ棟も車椅子では利用できず、わかりやすいところではカインズホーム神川店(西3.5キロ)、児玉文化会館(東4.5キロ)などを利用することになる。多宝塔は駐車場のすぐ傍らの傾斜地に建っているため、別に自動車から降車しなくても見ることができる。

周辺の名所・観光スポット

塙保己一記念館

江戸時代の国学者で、幼少時に失明しながらも、古今の国史、国文学に関する貴重な書籍を集めた666冊に及ぶ『群書類従』を著したり、和学講談所を設立するなどして、ついに総検校の地位まで昇り詰めた塙保己一(はなわほきいち)をテーマとする記念館。いまの埼玉県本庄市児玉町保木野で父・荻野宇兵衛のもとに出生したことから、市内のアスピアこだま内に開設され、塙保己一の遺品や関係資料を収蔵展示し、その業績について紹介している。
【身障者用駐車場・多目的トイレ・スロープ・触知案内板・音声ガイドあり】

■参考リンク:本庄市>塙保己一記念館