神峰神社

神社

神峰神社は、茨城県日立市の神社で、神峰山頂には奥宮が、かみね公園脇には里宮が鎮座しています。江戸時代に徳川光圀の命により周辺の宮田・助川・会瀬3か村の鎮守として位置付けられたといい、大祭礼ではこれらの地域を神鉾が渡御します。大祭礼で奉納される高さ15メートルの巨大な山車の上ではからくり人形の芝居が演じられ、「日立風流物」の名称で国の重要無形民俗文化財やユネスコの無形文化遺産になっています。現在では毎年4月に平和通りで開催される「日立さくらまつり」でも「日立風流物」が公開されます。

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旅行先の地図

旅行先の概要

御祭神 伊邪那岐大神、伊邪那美大神、熊野櫲樟日大神
所在地 茨城県日立市宮田町5-1-1
交通 常磐自動車道「日立中央IC」から車で約7分
JR常磐線「日立駅」から日立電鉄バス(鞍掛山行き)経由で約8分、「神峰公園口」停留所下車【ただし、停留所からは石段】
拝観料 無料
駐車場 境内拝殿下に砕石が敷かれた無料の参拝者駐車場あり
URL
連絡先 神峰神社社務所 0294-21-0609

歴史・由来

神峰神社は、茨城県日立市の神社で、神峰山頂には奥宮が、かみね公園脇には里宮が鎮座しています。

創建の由来は明らかではないものの、室町時代にはすでに神峰山頂に祠が祀られていたといい、正長元年(1428)、宮田村字山王へ遷座して宮田村の鎮守となり、天文23年(1554)に鬼ヶ洗水という場所に遷座するものの、悪疫が流行したので元禄元年(1688)に再び神峯山頂に戻し、稲荷の森とよばれる現在地には遥拝殿を造営したとされています。

江戸時代には常陸国多賀郡宮田村を含む一帯は徳川御三家のひとつ・水戸藩の領地となっていましたが、元禄年間、2代藩主だった徳川光圀(当時は藩主の座を養子・綱條に譲り隠居の身)のもとで淫祠邪教を廃するための社寺改革(「鎮守改め」「八幡潰し」とも呼ばれる)が行われ、領内の寺社に『開基帳』『鎮守帳』を整備させるとともに、由来の不確かな寺社の多くが廃絶させられています。

そこで元禄8年(1695)、「神峯権現」とよばれていた神峰神社は、徳川光圀の命によって別当寺の薩埵寺の支配を離れて神官が管理するように改められるとともに、宮田村・助川村・会瀬村の3か村の総鎮守して、大祭礼の際には宮田浜の宮から助川を経て会瀬まで神鉾が渡御することが定められました。

この大祭礼は、現在では7年ごとに挙行されていますが、東町・西町・本町・北町の4地区から高さ15メートルほどもある開閉式の巨大な山車が繰り出され、山車の上にあるひな壇状の5層の館(やかた)では『源平盛衰記』『太平記』『仮名手本忠臣蔵』『太閤記』などのからくり人形の芝居が演じられるという珍しいものです。

山車の上で人形芝居を行う形式は享保年間にはじまるといい、「日立風流物」の名称で国指定重要無形民俗文化財(行事)、国指定重要有形民俗文化財(山車)、ユネスコの無形文化遺産になっているほか、現在では毎年4月に市内の平和通りで開催される「日立さくらまつり」でも1基のみ公開されています。

車椅子で旅行するポイント

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【1】国道6号に隣接する神峰神社の表参道は石段のため自動車のままかみね公園方面に進む。

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【2】かみね公園に至る坂道の途中に「神峰神社車参道」の看板があるのでここを曲がる。

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【3】車参道を直進すると拝殿下の砕石が敷かれた駐車場に出る。拝殿へはまだ石段がある。

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【4】車参道の途中を曲がれば社務所前に出られ、ここは拝殿のすぐ脇にあたる。ただし、周囲は玉砂利が密に敷かれている。

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【5】かみね公園の南駐車場の入口まで行けば身障者用トイレがある。

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【6】身障者用トイレ内部



神峰神社境内図

境内配置図 [凡例]
拝殿 本殿 稲荷神社:由来不詳だが保食神を祀る。 愛宕神社:本町の氏神となる摂社で迦具土神を祀る。 末社:奥から春日神社・香取神社・薩都神社・山神社・白山神社・津島神社・大杉神社の小祠。 手水舎 古札納所 社務所 風流物収蔵庫 車参道 裏参道 トイレ 久原房之助翁・小平浪平翁頌徳碑:久原房之助は赤沢鉱山を買収し日立製作所の基礎を築いた実業家。小平浪平は日立製作所を創業した技術者。 日立市郷土博物館 かみね遊園地 かみね動物園 ふれあいプラザかみね 南駐車場 国道6号 いわき市 水戸市


移動のしやすさ ★★★☆☆
バリアフリーの状況 神峰神社の正面からの参道は国道6号に面した石段となるが、かみね公園に至る坂道の途中に「神峰神社車参道」の看板が出ているので、ここから自動車のまま境内の駐車場まで進入するのがよい。車参道は途中で枝分かれして社務所前に出るルートもあり、駐車場は拝殿よりも標高が低いが、社務所のほうは拝殿と同じ高さになっている。ただし、拝殿の周囲は参道の石畳を除いてほとんど玉砂利が敷かれている。身障者用トイレは境内にはないので、かみね公園の駐車場脇などに設置されているものを利用する。

周辺の名所・観光スポット

かみね動物園

日立市のかみね公園内にある市営の動物園。ゾウ・キリン・カバなどの大型哺乳類からウサギやモルモットなどの小動物まで約70種・500点の動物を飼育・展示している。「ふれあい広場」では小動物たちと直接ふれあい体験ができるほか、「もぐもぐタイム」にはチンパンジー・カピバラ・ペンギンなどに餌を与えたり、または食べる様子を間近で観察したりすることができる。
【身障者用トイレ・駐車場・車椅子貸出あり。身障者手帳提示で本人および介助者1名無料。ただし、園内は神峰山麓にあるため傾斜注意のこと。】

■参考リンク:日立市かみね動物園