桂浜

パワースポット

桂浜(かつらはま)は、高知県高知市にある太平洋に開かれた海岸で、竜頭岬には海に面して巨大な坂本龍馬像が建てられており、観光スポットとしても有名です。弓上の地形の反対側の龍王岬には海津見神社(龍王宮)が鎮座しています。土佐の民謡である「よさこい節」にも月の名所として登場するほか、後背地には長宗我部氏最後の居城となった浦戸城址もあります。

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旅行先の地図

旅行先の概要

所在地 高知県高知市浦戸
交通 JR高知駅からとさでん交通バス(桂浜行き)経由で約30分、「桂浜」停留所下車
高知自動車道「高知IC」から車で約30分
拝観料 無料
駐車場 有料の「高知市営桂浜公園駐車場」(小型400円、収容台数500台、身障者用5台)あり
URL
連絡先 高知市観光振興課 088-823-9457

歴史・由来

桂浜(かつらはま)は、高知県高知市にある太平洋に開かれた海岸で、浦戸湾の入口にあたる龍頭岬と龍王岬の間に、弓なりの形になって広がっており、白砂青松をもって知られる景勝地となっています。

浦戸湾は、平安時代に土佐国司として赴任した紀貫之が女性に仮託して記した『土佐日記』のなかにも、「大津より浦戸をさして漕ぎ出づ」などとして登場する、古くからの海上交通の拠点です。

室町時代には管領家の細川氏や堺商人が明との勘合貿易に利用する南海航路の中継地として栄え、日本最古の海事法といわれる『廻船大法』(廻船式目)にも、摂津兵庫辻村新兵衛、薩摩房野津飯田備前とともに、土佐浦戸篠原孫右衛門の名が航海業者の代表として見えています。

また、戦国時代の文禄5年(1596)、スペインのガレオン船であるサン=フェリペ号が漂着し、当地を支配していた戦国大名・長宗我部元親の命によって曳航されたところでもあり、この一件が豊臣秀吉による「長崎二十六聖人」の処刑につながったとされています。

桂浜の後背地にあたる浦戸山には、中世には浦戸城が築かれていましたが、『佐伯文書』によれば、南北朝時代の建武3年(1336)、浦戸において合戦があり、北朝方が勝利したことが記載され、少なくともこの当時から城郭があったことかわかりますが、詳細については不明です。

その後、戦国時代の天文年間(1532~1555)、吉良氏、安芸氏、津野氏、香宗我部氏、大平氏、長宗我部氏と並んで「土佐七雄(七守護)」とされる土豪の本山茂宗(本山梅慶)が本格的に城を整備します。

永禄3年(1560)、長宗我部元親の初陣である「戸ノ本の戦い」で敗れた本山茂宗の子の本山茂辰は、この浦戸城へ逃亡するものの長宗我部軍に包囲され、結局は城から退出し、以後は長宗我部氏の支城となります。

その後、天正19年(1591)、長宗我部元親は浦戸城を改築し、3層の天守閣をもつ大規模な居城として、城下町とあわせて整備しますが、その子の長宗我部盛親は「関ヶ原の戦い」で石田三成の西軍に味方したために所領の土佐国を没収され、浦戸城は長宗我部氏最後の居城となります。

その後の土佐は徳川家康によって山内一豊に与えられますが、これに反発した長宗我部氏の遺臣たちは浦戸城の明け渡しを拒否、「浦戸一揆」として抵抗するものの敗北し、江戸時代に吉田孝世が著した軍記物 『土佐物語』によれば、討ち取られた首級は273とされています。

この「浦戸一揆」の後、首級は塩漬けにされて大阪にあった井伊直政のもとに送られ、胴体は「石丸塚」(石丸神社、現在は「一領具足供養の碑」が所在)に葬られます。

こうして山内一豊は浦戸城に入城を果たしたものの、ほどなく大高坂(おおたかさ)城を拡張して高知城を新造したために廃城となり、現在では「坂本龍馬記念館」、「国民宿舎桂浜荘」がその跡地に立地しています。

桂浜は土佐の民謡である「よさこい節」には「月の名所」として登場しており、江戸時代には龍頭岬に灯台(常夜灯)が設置され、『高知下町浦戸湾風俗絵巻』にも、沖合を船が航行してにぎわうさまが描かれていますが、現在ではこの龍頭岬に立つ巨大な坂本龍馬像で有名です。

江戸幕末に海援隊の結成や薩長同盟、大政奉還の成立に奔走した土佐藩郷士(脱藩)の坂本龍馬は、慶応3年(1867)に「近江屋事件」で暗殺されますが、その遺徳を顕彰するため、昭和3年(1928)、高知県の青年有志の募金によって、当時の金額で2万5千円を投じて建立されたのが坂本龍馬像であり、像高5.3メートル、台座まで含めた総高が13.5メートルの銅像は、高知県宿毛市出身で高村光雲の弟子でもあった本山白雲の手によるものです。

また、反対側の龍王岬には、長宗我部元親の時代に鎮座したとも伝わる大綿津見神を祀る「海津見神社(わたつみじんじゃ)(龍王宮)」、および展望台に日本武尊を祀る境内社「早高神社」の小祠があり、若宮八幡宮が管理しています。

現在、一帯は「桂浜公園」として整備され、ウミガメのいる「桂浜水族館」、坂本龍馬の生涯を紹介する資料館「坂本龍馬記念館」、地元出身で桂浜に因んだ雅号をもつ大町桂月の歌を刻んだ「桂月先生記念碑」などがあります。

車椅子で旅行するポイント

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【1】桂浜公園駐車場には身障者区画、身障者用トイレがある。脇の観光案内所で車椅子の貸出しもしている。

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【2】龍馬の浜茶屋を抜けて桂浜および竜馬像に向かうルートは階段だが、脇に迂回用のスロープもあり、介助があれば車椅子で移動可能。

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【3】桂浜の海岸には舗装された遊歩道が通っており、車椅子でも桂浜水族館、大町桂月碑などへ移動可能。

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【4】海津見神社龍王宮の下までは同様に遊歩道があるが、境内へは階段のため車椅子は不可。

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【5】桂浜の海岸にも身障者用トイレが設置されている。

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【6】高台にある坂本龍馬像へもスロープ状の遊歩道があるので車椅子で移動は可能。




桂浜案内図

配置図
桂浜公園駐車場 桂浜バス停 高知南警察署桂浜駐在所 とさでん交通桂浜出張所 桂浜公園観光案内所 坂本龍馬像 龍馬の浜茶屋 大町桂月碑 龍頭岬 桂浜 桂浜水族館 海津見神社 龍王岬 高知灯台 うつぎの小径 椿の小径 桂浜稲荷神社 龍馬記念館前バス停 高知県道35号桂浜宝永線 浦戸城跡 高知県立坂本龍馬記念館 浦戸大橋 高知県道14号春野赤岡線

移動のしやすさ ★★★★☆
バリアフリーの状況 
桂浜は海岸のなかに舗装された遊歩道が通っているため、介助者があれば車椅子でも散策が可能な、かなり稀有な海岸といえる。
駐車場には身障者用の駐車スペース(5台)があるほか、階段ももちろんあるが、バリアフリー経路も別にあり、看板での誘導がなされている。身障者用のトイレも海岸内に設置済み。そのため、桂浜の海岸部、坂本龍馬像、桂浜水族館といった主要な観光スポットは、基本的には車椅子で回ることが可能となっている。
ただし、地形的にスロープの勾配がきつい部分があり、障害者本人が自走するだけでは難しいので、やはり適当な介助者は必要となる。また、竜王宮だけは境内の真下までは遊歩道があるものの、そこからは階段となる。

周辺の名所・観光スポット

桂浜水族館

桂浜水族館は、名勝地である桂浜公園内にあり、すでに戦前から創立され多くの観光客を集めていたローカル色に富む水族館で、ザリガニ釣り、ウミガメやペンギンへのエサやり、ドクターフィッシュのセラピー体験などを楽しむことができる。また、トドやアシカ、イルカのショーが行われるほか、高知県特産の魚であるアカメの展示もしている。
【スロープ、多目的トイレ、車椅子貸出あり。身障者手帳提示で本人は障がい者割引適用、付添者1名は団体割引料金適用】

■参考リンク:桂浜水族館 高知県の名勝・桂浜にある、小さな水族館。でも他の水族館にも負けない特色ある水族館です!ぜひお越しください。